股関節の可動域を上げる方法
こんにちは。
整体院Retour(ルトゥール)の鶴田です。
バレエでは「股関節の可動域」がとても大切な要素です。
股関節の可動域を上げたい。
もっとターンアウトできるようになりたい。
と思っていませんか?
今日は
股関節の可動域を上げる方法
についてのお話しです。
さて、そもそも「可動域」とは何でしょう?
今日は、ターンアウトに必要な可動域、つまり「股関節を外に回す(外旋する)ための可動域」に特化してお話ししていきますね。
「可動域」とは、読んで字のごとく「動かすことができる範囲」のことです。
そして、絶対にここまでしか動かせませんよ、という範囲があります。
それは、「骨」と「靭帯」によって決定づけられている範囲です。
これは、どう努力してもそれ以上動かすことはできません。
ここでいう「骨」というのは、骨盤にある「寛骨臼(ヒップソケット)」という部分と「大腿骨(ももの骨)」のことです。この2つの要素で可動域が決まり、人それぞれ少しずつ違いがあります。
そして「靭帯」というのは、骨と骨をつないでいる組織のこと。これも伸び縮みがほとんどできません。
この「骨」と「靭帯」によって、その人の股関節の可動域が決まっています。
この部分は、変えることができません。
可動域が決まってしまっているなら、じゃあ「可動域を上げる」とはどういうことをいうのか。
それは、今現在、筋肉の硬さや筋力のアンバランスがあって可動に制限がかかっている状態を、本来持っている可動域(骨と靭帯で構成された変えられない可動域)まで、広げて(上げて)いくということが「可動域を上げる」ということになるんです。
股関節を構成する3つめの要素である「筋肉」を、適切な「強度」と「柔軟性」をもって働かせられるようにするというのが、股関節の可動域を上げる方法ということになります。唯一、自分の努力で変えられる部分です。
なるほど、じゃあ、可動域を上げるには脚を外に回す筋肉を鍛えて、脚を開くストレッチを一生懸命すればいいんだ、と思ってしまうかもしれませんが、実は逆なんです。
それが、可動域が上がらない原因になっているかもしれません。
可動域を上げるためには、ターンアウトに関わる筋肉すべてが強いことが必要です。
すべてというのは、外に回す筋肉だけではなくて、内に回す(ターンイン)する筋肉や、中に集めてくる筋肉(内転筋)も含まれます。
外に回す(外旋する)筋肉と、内に回す(内旋する)筋肉の両方が、バランス良く鍛えられていなければいけません。脚をたえず外旋させていると内旋させるための筋肉が発達せず、バランスが悪くなってしまうんです。
そして、どこかに弱い筋肉があると、ストレッチしてもその効果を得ることができません。
ストレッチだけを一生懸命しても、可動域は上がらないのです。
しかも、股関節周辺の筋肉を一生懸命に伸ばしすぎると、靭帯と軟骨がダメージを受けてしまうこともあるのでとても危険です。
関わるすべての筋肉の「強度」と「柔軟性」をバランスのとれた状態にするということが、可動域を上げることにつながります。どちらかだけでは可動域は上がらないし、急激にやっては痛めてしまうので、少しずつ強く、なおかつ柔軟にしていかなくてはならないのです。
前回の記事【内もも・裏ももが使えない理由】でも少し触れましたが、足先だけでの無理なターンアウトでは必要な筋肉が鍛えられるどころか弱くなっていってしまうので、可動域を上げることにはつながりません。
これは「Progressing Ballet technique(プログレッシング バレエ テクニック)」のターンアウトのトレーニングです。
外に回す筋肉だけではなく、内に回す筋肉もトレーニングします。
実際にやってみると分かりますが、思っている以上に内に回す筋肉の働きが弱いことが自分で分かります。とてもバランスが悪くなっている証拠ですね。
こんなふうに、外と内の両方のバランスをよくするトレーニングを行うのも、股関節の可動域を上げるひとつの方法です。
実は、バレエの動きというのは、すごく繊細なバランスの上に成り立っているんですね。
股関節の可動域を上げる方法は
「関わる全ての筋肉の強度と柔軟性のバランスを良くする」
ということです。
外に回す動きばかりを練習していないか、無理にストレッチしていないか、ということも注意してみてくださいね。
〈参考文献〉
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【指導者のための解剖学】詳細
【大人の姿勢改善コース】詳細
【PBT 月1クラスレッスン】詳細
【整体院Retour(ルトゥール)】ご予約
神奈川県相模原市南区相模台1-2-6
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